美容師になろう!

株式会社アルテサロンホールディングス 会長インタビュー記事

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株式会社アルテサロンホールディングス
取締役会長 吉原  直樹氏

「美容師になろう!」の目的は人材が集まり育ち永く活躍できる美容業界にする事。そして、表面的な華やかさだけではなく、仕事の本質を大切に理念経営に取り組む企業が増えてきました。時代とともに「物」から「思い」へ価値観が変化した事の現れでもあると思います。「変わる!美容業界」と銘打ったこの特集。

2018年で創業32年目を迎えるアルテサロンホールディングス。
東京、神奈川中心に122店舗を展開するAshブランドを中心に美容業界を代表する企業です。
今回はホールディングスの会長であり、株式会社アッシュの代表取締役社長を務められる吉原直樹氏にご登場頂き美容学生さんの目線でお話し頂きました。

未来に向かって価値ある美容師の仕事

1956年1月横浜市生まれ。 埼玉大学教育学部卒業後、美容機器メーカーに入社。 1981年美容室チェーンに転職し、31歳で美容師免許を取得。 1986年に横浜市に美容室を開業、88年に有限会社アルテを設立。 ヴィダル・サスーンアカデミーの受講、カットコンテストへの挑戦など美容師としてのキャリアを積む一方経営者としての才覚も現す。 東京、神奈川を中心に「Ash」ブランドの「のれん分けフランチャイズ方式」という独立支援システムで業績を伸ばし、2004年8月にJASDAQに上場を果たし日本最大の美容グループへと成長。

価値ある美容師の仕事

06-07吉原社長左 我々のミッションは「人がより若く美しく健やかにいられるお手伝いをする」。 毎日朝礼で唱和していますが、その言葉に尽きます。 世の中が変わってきています。デジタル化、人口知能社会と言われます。 そういう時代だからこそ、我々の仕事に価値があります。 今後20年で無くなる仕事、残る仕事という話しがありますが、例えば今一流と言われている仕事が無くなってしまうのではないかと言われています。 友人の息子さんが銀行に就職しました。 当時は銀行へ入社できて良かったね!と言われていましたが、何万人も社員を減らすという話もあります。 これから残る仕事は人間として働きがいのある、人間でしかできない仕事、クリエイティビティの高い仕事、創造性の高い仕事、人間自身が喜べる仕事・・ そう考えた時に美容師はまさにそれに当たるのではないかと思います。 それ以前に、ファッションや流行について考えてみましょう。 流行のそれぞれのパーツの中でもメーキャップ、ヘアスタイルという役割を美容師は担っているのです。 これこそ人間でしか産み出せない分野でしょう。

高齢化社会になるとより活躍の場が広がる

また日本は高齢化に向かっています。 世界のどの国も経験したことの無い次元に突入しています。 実は高齢化は美容師にとって活躍の場が広がるチャンスなんですね。 今、女性の平均年齢は48歳と言われています。 40代がファッションの中心。 団塊ジュニアの世代と言われる人口のボリュームゾーンです。 あと10年経つと50代がそうなります。 ボリュームゾーンの世代が移るだけであって我々の仕事が無くなるわけではありません。 60代の人がボリュームゾーンになった時、世界で60代の女性が一番キレイな日本は素晴らしいと思います。 日本に遅れて高齢化へ向かう世界の見本になるでしょう。 美容は老若男女関係なく人々の生きがいに寄与する産業である事は間違いありません。 そういう仕事に携われる美容師は素晴らしいと思います。

簡単になれる仕事ではない

06-07吉原社長右 ただ大事なのは、すぐになれる、簡単になれる仕事ではないという事です。 お医者さんも一緒ですよね。大学へ6年間も行きます。 卒業してすぐ手術できるかと言うと、できるわけないですよね。 インターンがあり、経験を積み重ねていってベテランになって行きます。 これは野球の選手も一緒です。高校を出て即活躍する選手もいますが、ごくまれです。環境に慣れ2軍で鍛え何年もかかって立派なプロ野球選手になって行きます。 美容師も一緒です。 美容学校をでたらすぐカットできるんでしょ?と言われる事もありますがそれは大きな間違いなのです。 また、今日初めてシャンプーします、今日初めてカットします、なんて言ったらお客様は不安になります。 初めてでもプロの顔をしてお客様に入らないといけない。 プロの仕事とはそういうものなんですよね。ですからプロに育ててくれるサロンを選ばないといけません。

目先ではなく生涯賃金という考え方

美容師の仕事は良く給料が安いと言います。 しかし、20歳~70歳まで働ける、そんな職業は無いですよ。 一般企業で働くと定年退職があり役職定年という制度がある会社では55歳とか、ある年齢になると同じ仕事でも給料が半分以下になってしまいます。 しかも、世の中の変化に対応できず会社が続くかどうかもわかりません。 美容師の仕事は目的を持って働けばキャリアを積み重ねていけますし、先ほど申し上げたように高齢化社会になってもお客様が存在し続ける限り収入を得て自立した人生を送れるのです。 そして、経営者になれるという点もメリットではないでしょうか。 全員がなれるとは限りませんが目的を持って行動し結果を出せば経営者になる事は可能です。

のれん分けフランチャイズ制度

美容業界の問題点に離職が多いという事があります。 かつて、当社においても例外でなく、長く働いてもらう為にはどうしたら良いのか考えました。 その結果生まれたのが「Ash」ブランドの「のれん分けフランチャイズ制度」です。 自社で経営者を育成します。将来像を具体化し人生設計を支える仕組みで、当社では多くのFCオーナーが活躍しています。 また、産休育休を取得し復帰する女性スタッフも増えて来ました。 時代に合わせた働き方の多様化にも対応しています。 私が美容師になる前ですが、このような事がありました。 某有名な先生のお弟子さんの店長がそこを辞めて独立するというのです。 でもその店長は先生を非常に尊敬していました。 「そんなに尊敬している先生のサロンをどうして辞めるのか?」私は不思議に思い尋ねると「僕の給料はこの会社にいても増えないのです」と力無く答えてくれました。 その先生の家には1匹数百万円もする犬が飼われていたそうです。 スタッフを安い給料で雇用し自分は贅沢な生活をしている経営者が多い時代でした。 回すべき人材や将来への投資を全部自分で使ってしまう。 だから良い人材は残らない。 経営はバランスが大事です。バランス良く経営し社会的に認められた会社が今残っているのです。

美容学生時代に何をしたらよいか

06-07吉原社長と皆 美容師だから技術というよりも違う勉強をした方が良いです。 これからの時代はコミュニケーション能力が大事。 お客様とインターネットの中でコミュニケーションを取らなくてはいけません。 それには文章力が必要です。 いくら技術ができても、伝えられない美容師、表現力がない美容師は残りません。 作文を書き、本を読んで欲しい。デジタルとアナログ、SNSと文章力、両方が必要なのです。 自分の意志を的確に伝えられ、発信して良い事、悪い事を区別できるスキルを養って下さい。 また美容師として長く続けられるように、なんの為に働くのか、将来どうなりたいのか、という職業観をしっかり身に付けて下さい。

サロン選びのポイント

今が良くても10年後あるとは限らないのが現実です。僕の頃は就職不況で特に教育学部でしたので超一流企業へは就職できませんでした。 当時大卒者を多数募集していた産業は衰退していますし、13行あった都市銀行も今や3行になり、しかも今後は人工知能に業務を転換していくといいます。 今一流だからと言ってずっといいわけではありません。 その時の流行りに乗ってはダメです。 美容業界だったらちゃんとした技術をまず身に付ける。これが大事です。 Ashに入れば技術はしっかり教えます。独立もできます。海外研修に行けます。マネジメントも身に付きます。 技術だけ得意なサロンに就職してもマネジメントは教えてもらえません。 物事には「流行りすたれ」がある事を見極め、目先の損得や雰囲気だけで判断せず美容師として人生を送れるよう軸を持ち考えて頂きたいと思います。 若い皆様の未来に大いに期待しています。

本社

06-07両社長

〒231-0031 神奈川県横浜市中区万代町1-2-12 VORT横浜関内III 2階
連絡先 TEL:045-663-6120
URL http://www.arte-hd.com


経営者が尊敬し憧れる経営者。それが吉原会長です。
美容業界のいち時代を築いて来られた実績からお話しになる言葉に説得力がありました。
美容学生さんに向けてお話しして頂いた貴重な内容ではないでしょうか。
※アルテマリンウェーブビルの一室にて取材
(「美容師になろう!」編集長/荒井由美)