美容師になろう!

アースホールディングス 社長インタビュー記事

メイン

株式会社アースホールディングス

代表取締役 國分 利治氏

「美容師になろう!」の目的は人材が集まり育ち永く活躍できる美容業界にする事。そして、表面的な華やかさだけではなく、仕事の本質を大切に理念経営に取り組む企業が増えてきました。時代とともに「物」から「思い」へ価値観が変化した事の現れでもあると思います。「変わる!美容業界」と銘打ったこの特集。関東版創刊号では社員をアースファミリーと呼び、人材育成に熱く取り組む株式会社アースホールディングス國分社長のお話を紹介させて頂きます。

 

 

株式会社アースホールディングス
代表取締役 國分 利治 Toshiharu Kokubun

1958年福島県生まれ。19歳の時一念発起し経営者になる夢を抱き新宿の美容室に就職。10年間休まず働き30 歳で独立し、葛飾区でEARTH1号店をオープン。17 坪で始めたが、1995 年に参加したアメリカ美容サロン視察を転機に、大型店舗展開へと出店戦略を切り替え大きく業績を伸ばす。同時にフランチャイズシステムを採用し現在はオーナー86名、スタッフ数約2600名、全国に227店舗を展開中。
FCオーナーを100人育て100年続く美容室を目指す。また、東日本大震災を契機に始めたチャリティ活動や、病気等で髪に悩みを抱える子供へ医療用かつらをプレゼントする「ヘアドネーション」賛同美容室などの社会貢献活動にも注力している。

■「統一を目指さず、個性を伸ばす」

ページ左上/私は半分位切って下さい。 「統一を目指さず、個性を伸ばす」これが創業以来使っている当社の理念です。
私は19歳の時に「経営者になる!」という志を抱き美容の世界へ飛び込みました。
独立を果たす30歳迄の10年間感じた事は「個人店には限界がある」という事でした。
私を含め、多くの若い美容師たちの共有の夢は個人サロンの経営者です。美容師は個性を売る仕事で職人気質。自分の個性を前面に出したい、自分の自由になりたい、思い通りにやりたい、そう思いながら店に立っています。最初は個人店にはメリットがたくさんあるように思えるのです。私もそうでした。しかし、10年間で私が目にしてきたのは独立して個人店を開いた先輩たちの惨めな姿でした。美容業界に限らず、個人経営の基本的な流れとして個人の衰退(高齢化)とともに会社も衰退するため良い時は長く続かない。

■若い子たちが憧れる美容室経営者を目指す

s-s-メイン下 私はカリスマでもないし、個人店で独立したところで将来続けていけるのだろうか。
最終的に独立して小さな店を出して収入も増えず生活できる位のレベルでやっていても、経営の資源である、人、モノ、金が育っていきません。
好きな事をしてただ生活するだけという感じの経営者が多かったため、これを何とか、「若い子たちが憧れる美容室経営者になるためにはどうしたら良いのか」そう考えた時に行きついた結論が多店舗経営でした。
「最初から組織で行こう!」1店舗目を出店した時から組織を作る事を目指していました。
「個性をお互い伸ばせるような環境、組織作り」を目標としました。統一を目指さず個性を伸ばす企業を創ろうと決意しました。統一はしたい。
しかし統一すると、個性をつぶしてしまう可能性があるので、個性を伸ばしながら組織展開をしていきたい!というひとつの理念、テーマを掲げてスタートしました。

■その人を良い所を引き出す人材育成

5店舗を30人くらいでやっていた頃は私も人が辞める悩みを抱えていました。
人が辞めて足りなくなるとそこへ自分が行って補い、また違う店舗で辞めると今度はそっちへ行って補い・・これでは経営はできないと思い、10人以上の大型店舗を経営しようと思いました。
10人以上が働ける店舗を作り10人以上がとれるコミュニケ―ションの場を作りました。
それが草野球やサーフィンというスポーツです。社員への教育の仕方も変えました。教育しようと思わず、その人の良い所を引き出してあげよう、良い所が引き出せる環境を用意してあげよう、という、いわば、監督ではなく、プロデューサーの感覚で接するようにしたところ、社員がどんどん育って行きました。
監督では距離が近すぎてつい熱くなり自分の思いを押し付けてしまいかねないのです。

■新入社員教育で大切にしている事

新入社員は全国で毎年約270名入社頂いています。
関東圏に関しては約140人です。
そのメンバーは1年間1か月に1回、合計12回、本社にあるアカデミーにて合同研修を受けます。
「 カリキュラムも組んであり、スタッフ、店長、オーナーの中から担当を決め講師を努めます。勿論、技術はしっかり教えますが、ものの考え方もその中のテーマに入っています。入社直後は「社会人と学生の違い」についてしっかり伝えます。社会人はお金(給料)を貰って仕事している、学生はお金(授業料)を払って勉強している。という事です。アカデミーでは勉強していますが、お金をもらっているのでしっかり仕事としてやって下さいね、と伝えます。
「 また、私はサービス業の原点は掃除にあると考えますので、掃除は教育としてしっかり伝えます。不況により売り上げ不振に陥った際も各店の店長に指示した事は「掃除を徹底するように」でした。今の若い人はトイレ掃除をやったことのない人も多く、私が見本を見せることもあります。全店を行脚した際には掃除と接客指導もしております。
「 また、美容師に練習はつきものですが、私は始業前の朝の2時間の練習を推奨します。
夜遅い時間よりもはるかに効率が良いです。たった2時間早起きして努力するだけで驚くほどの結果が出ます。だまされたと思って是非、明日から実践して下さい。私自身も何十年も続けている習慣です。

■変わる美容業界とともに

美容業界だけでなく、時代の流れとともに価値観が大きく変わりました。簡単に言うと「物」から「思い」ではないでしょうか。
「 特に2011年3月11日の東日本大震災がきっかけになったと思います。私も福島県出身ですので、真っ先に支援に駆け付けました。今後もどこで自然災害が起こるとも限りません。EARTHは全国に店舗がありますので何かあれば駆け付けたいと思います。
かつて、私もFCオーナーになれば年収1000万円というという「物」に価値を置き、社員を育ててきました。しかし、1000万円の年収になったとたんに、高級車を購入して、店へは出ず、スタッフには横柄な態度をとり業績を悪化させるオーナーも出てきました。私が、夢をみせるために建てた豪邸や、高級車という外側の部分だけを真似してしまったのです。
私はオーナーになれる条件を変え、私が昔から一番大切にしている「人は最終的には他人のためしか頑張れない」。
この思いを共有し行動できる仲間を増やして行こうと改革に乗り出しました。

■FCオーナーを100人つくり100年続く企業へ

私の場合は「経営者として同じ感覚を持った仲間を作らないと組織にならない」と思いフランチャイズオーナーを育成して来ました。
現在86名のFCオーナーが誕生しています。オーナーと店長と美容師という縦の列だけでなく横の列も作って組織を拡大して、結果的に100年続く企業を目指して行きます。100人オーナーを作ってその中の一人と交代し組織を存続して行きます。
「同じ考えを持ち、自分の考えを理解してくれる仲間をつくる」事ですが、近年は家族のように信頼関係を築ける仲間をつくりたいと思うようになりました。
ビジネスパートナーから一歩踏み込んだビジネスファミリーです。
また、今後は若い世代の意見を尊重した海外展開、続々と誕生している女性オーナーの育成など次の段階へと挑戦して行きたいと思います。

目先の利益、自分の利益だけを考えるオーナーを出さず、グループとして100年先まで成長を続ける為にはみんなで共有できる芯となる価値観がなければいけない、それを作り上げる事が私の課題だと思っています。