サロンになぜ経営理念が必要なのか?

サロンになぜ経営理念が必要なのか?

別の言い方をすると「就職活動におけるサロン選びになぜ経営理念を知る必要があるのか」という事です。
「美容師になろう!」では理念・教育に自信がある社会保険完備サロンを掲載させて頂いています。
その中でも特に経営理念に注目して頂く誌面を作っています。
美容業界の就職情報誌では他に類を見ません。
なぜそうする必要があるのか、お話しさせて頂きたいと思います。

「美容師になろう!」はなぜ誕生したのか創業までの過程で私は美容師と言う職業の真実を知りました。
美容師さんの純粋さ、ひたむきさ、愛すべき個性的なキャラクターに魅かれ、そして、何よりも、美容師という『人を美しくして感謝される』という類まれな素晴らしい職業をとても応援したくなりました。
一方で、求人(人材確保)の難しさ、10年後は殆ど美容師として残らないという驚くほどの離職率の高さ、教育問題、経営面の問題等、美容業界の抱える問題点を知るようになりました。

美容室経営者の方々と日々お話しをし、美容師さんと関わる中で何か美容業界に貢献できないだろうか、と強く感じるようになりました。
そこで2009年美容業界の魅力を伝え美容業界で働く若者を増やしたい! と新卒就職情報誌「美容師になろう!」を創刊しました。

時代とともに変化した美容業界

創刊号(↑創刊号です!) 創刊以来7年の間で時代が変化し、就職情報誌の使命も変化して来たと思います。
業態が多様化し、職種も美容師以外にネイリスト、アイデザイナー、など多岐にわたります。
また待遇面も大幅に改善されました。
社会保険加入、新卒の初任給も上がり、休日も増え、ライフスタイルに合わせた雇用環境も整備され、多くの女性美容師が家庭と仕事を両立し活躍しています。
仕事を求める側の意識も独立、実力重視から安定、長期雇用へと変化してきました。それに対応するかのように、サロンは家業から企業へと進化しています。
しかし、相変わらず以前のイメージで美容業界をとらえ、生徒や子供が美容師になりたい!といっても大人たちに反対されてしまう、理解してもらえない、という現実があります。
そこで「美容師になろう!」では経営理念があり新卒をしっかり育成し教育に自信があり社会保険に加入しているサロンの在り方、求人情報をお伝えし美容業界の社会的地の向上に貢献する事を使命としました。

生徒や子供が美容師になる事を反対する前に、美容業界に良い会社がある事を知って頂き、是非、そこで可能性に挑戦して長く美容師を続けて頂きたいと思います。

サロンになぜ経営理念が必要なのか?では、なぜ経営理念が大事なのでしょうか。

なぜ経営理念が必要なのかそれは皆さんの未来に関わる事だからです。
皆さんは何のために美容の仕事を目指しますか?
人をきれいにするため、人を喜ばせるため、人を感動させるため、それとも・・・豊かな人生を送るため。
何のために美容の仕事を目指すのか、人それぞれのように、何のためにサロンを経営するのか、経営者それぞれの考え方があります。

それが「経営理念」です。

経営理念とは最終的の到達するゴール、いわば目的です。
理念がない会社はゴール、目的が無い会社でどこに向かって行って良いのかわかりません。

例えば、わかりやすい話をしましょう。

桃太郎誰もが聞いたことのある昔話の「桃太郎」。
桃太郎は、鬼ヶ島の鬼が人々を苦しめていることを聞き、人々を救い鬼ヶ島を平和にするためにおばあさんに作ってもらったキビ団子を持ち鬼退治に旅立ちます。

「人々を救い鬼ヶ島を平和にするため」これこそが理念です。
そして、犬、猿、きじ、という仲間と鬼ヶ島へ向かい鬼を退治し平和にしました。
理念・目的を果たすには目標を共有する仲間が必要だということもわかります。
詳しい話は省略しますが「桃太郎マネジメント理論」と経営の場面で語られることもある昔話です。

もうひとつ、例えばある会社の経営理念を紹介しましょう。

「美容を通じて世の中の美的生活を豊かにする」という経営理念です。
または目的、ゴールと言っても良いでしょう。

こちらの会社はゴールから逆算して、今何をやればよいのか考え行動しています。
常にお客様の美的生活が豊かになるかどうかを考えてやることを決めています。

なので、髪のことだけでなく、全身の美容に関する事や、衣食住もやる事に入って来ます。

あなたがもし「髪のことだけでなく色々な美容に挑戦したい!」と思っていたらこういう会社が当てはまります。
そして未来図を描き今なにをやるべきかが見えて来ます。

理念があるから今日やることがわかるのです。

もし理念がないと、何をしたい会社なのか、社員にもお客様にもわかりません

理念があると、社員は何をしたらよいかわかります。
理念がある会社では未来図を描く事ができるのです。

経営理念

良い会社を見極める4つのポイントそして経営理念のもと、経営計画が立てられ売上を上げ業績を築いて行きます。
教育や雇用環境が整備されていきます。社員の絆も強まります。

ここで注意点ですが、理念は言葉だけではいけません。
理念があっても業績が悪ければ十分な給料を頂けません。
教育環境が悪ければ一人前の美容師に育ちません。雇用環境が悪ければ働きがいを見失います。
理念・業績・教育・雇用環境がしっかりしている事が必要です。

4つのポイント

学生の皆さんにはそこを見極めることは難しいかもしれませんが、先生のアドバイスや「美容師になろう!」を読みながら良い会社かどうか、考えてみて下さい。
良い会社とは、皆さんの人生を真剣に考えてくれる会社、皆さんに未来の約束手形を発行してくれる会社です。

ただ、勘違いしないように。

皆さんは、未来に向かって自動のエスカレーターに乗るのではありません。
山あり谷あり晴れもあれば嵐もある・・そんな道のりを歩むのですよ。
それが社会で働くという事です。
環境に甘んじることなく人生は自らの力で切り開いていくものです。
しかし、経営理念があり実行されている会社でしたら先輩が手を差し伸べ雨の日なら傘をさし、経営者が歩きやすい道を開拓し導いてくれるでしょう。

若者の輝く未来を応援しますこれからの我が国を取り巻く環境は急激に変化していきます。
少子高齢化、人口減少、2018年問題。でもその現象を嘆くのかチャンスと捉えるのかで未来は大きく変わります。
ある美容室経営者はこう話されました。「人口が減る事は、一人ひとりの価値が高くなるという事、顧客情報が集まる美容業界にとってはチャンスなんです」と。
私も未来は常に輝いていると考えます。

4つのポイントどんな時代であれ、本質的な所は変わりません。
主体性を持ち、環境に左右されることなく前向きに生きることを考えましょう。

物の豊かさより心の豊かさに価値を求める時代。
美容の仕事は心を豊かにできる素晴らしい仕事です。
そしてお客様に夢を売る仕事であるともいえます。

日本には物はあるが希望が足りないと言われた政治家もいらっしゃいますが、美容に関わる皆さんが希望となり、若いエネルギーで突き進んで下さい。
そして、「美容師になろう!」にご掲載を頂いた美容室経営者の皆様、採用担当者の皆様には若者の夢を受け止め育み永く活躍できる環境をより整備して頂きたいと思います。

「美容師になろう!」で繋がる皆様の心をひとつにして美容業界を人材が集まり育ち永く活躍できる業界に変えていきましょう。

<荒井 由美 Yumi Arai プロフィール>
荒井 由美「美容師になろう!」編集長。大手求人広告営業マンを経て2008年3月創業。
美容業界に人材が集まり育ち永く活躍できるようメッセージを込め新卒就職情報誌「美容師になろう!」東海版を2009年1月創刊。新時代の求人の在り方を提唱し2016年5月関東版を創刊。
ママ美容師復職応援マガジン「美容師に戻ろう!」を2014年3月創刊。
第2新卒就職情報誌「美容師を続けよう!」を創刊。中途市場の開拓も目指す。